【解説】巴文 (ともえもん) とは?日本伝統文様にある巴 (ともえ) を徹底解剖!

【解説】巴文 (ともえもん) とは?日本伝統文様にある巴 (ともえ) を徹底解剖!-タイトル trivia
巴文 – ともえもん –

巴文 (ともえもん) とは、勾玉(まがたま)形二つか三つを、曲線円形に組み合わせたかたちで、文様は鞆絵(ともえ)を形象化したものです。
鞆(とも)とは弓を引く時に、弓手(左手)の肘に巻つけて弦のふれるのを避けるために用いた革具で、その鞆のかたちを意匠したのが鞆絵であり、いつの頃からか「巴(ともえ)」の字を当てるようになったとようです。
家紋に使われている巴(ともえ)は、頭部が大きいのと小さいのがあり、ナメクジ巴といって頭部の尖った巴(ともえ)もある。また尾の曲線の方向によって左巴、右巴があります。

そんな七変化と遂げてきた巴文 (ともえもん) をご紹介致します!

 

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巴 (ともえ) とは?

参考:刀剣の専門サイト・バーチャル刀剣博物館「刀剣ワールド」-鞆参考:刀剣の専門サイト・バーチャル刀剣博物館「刀剣ワールド」-巴参考:刀剣の専門サイト・バーチャル刀剣博物館「刀剣ワールド」

そもそも巴(ともえ)とは、うずまきや、鞆(とも:弓を射る際に手首を守るもの)に描かれた模様の意味を表す漢字です。

鞆(とも)についてもっと詳しく知りたい方は下記👇のサイトへ♪

巴(ともえ)の始まりは中国で、もともとはヘビがとぐろを巻いている様子を描いたことから作られ、見た目から「うずまき」の意味になりました。漢字が日本に伝わると「巴(ともえ)」の字が「鞆絵(ともえ)」の丸い模様に似ていたため「トモエ」が読みあてられたそうです。

巴(ともえ)の意味

「和」や「神聖」「影響力」「才色兼備」といったイメージがある巴(ともえ)は、うずまきの形から、陰陽和合(いんようわごう)の意味を持っています。
陰陽和合(いんようわごう)とは、異なった性質のものが相互作用することです。
この陰・陽二気の相互作用によって万物が生成されることを示す陰陽和合(いんようわごう)は、転じて「男女の交わり」も意味し、名付けに使用してよいのか心配になるかもしれません。
しかし、陰陽和合(いんようわごう)は、「夫婦の仲がよい」の例でよく使用される明るい言葉なので、比較的プラスの意味合いて使われることの方が多いです。




巴文/巴紋 (ともえもん) について

巴紋 (ともえもん)は、巴を何個か並べ、各右回りと左回りのデザインがあり、かなり多くの種類があります。
巴紋は家紋としてだけでなく、神社仏閣の神紋・寺紋としても使用されています。
そんな巴紋 (ともえもん)は、なんと家紋の歴史の中で最も早く記録に出現し、縄文遺跡で既に使われていたとも言われています。

では、いくつか代表的な巴文 (ともえもん) をいくつかご紹介します。

左三つ巴(ひだりみつどもえ)

左三つ巴(ひだりみつどもえ)家紋:左三つ巴(ひだりみつどもえ)
参考:発光大王堂

左三つ巴(ひだりみつどもえ)とは、巴を3つ、頭を内に置き、左回り(反時計回り)のデザインです。
山本勘助、小早川隆景、有馬頼咸(久留米藩藩主)、岡部長職(岸和田藩藩主)の家紋としても有名です。

右三つ巴(みぎみつどもえ)

右三つ巴(みぎみつどもえ)家紋:右三つ巴(みぎみつどもえ)
参考:発光大王堂

右三つ巴(みぎみつどもえ)とは、巴を3つ、頭を内に置き、右回り(時計回り)のデザインです。
宇都宮氏、結城氏の家紋としても有名です。
神紋として、佐賀県の佐田神社、和歌山県の熊野本宮大社、香川県の白鳥神社、そして特定の八幡宮の社殿の鬼瓦にも使用されています。



左二つ巴(ひだりふたつどもえ)

左二つ巴(ひだりふたつどもえ)家紋:左二つ巴(ひだりふたつどもえ)
参考:発光大王堂

左二つ巴(ひだりふたつどもえ)とは、巴を2つ、頭を内に置き、左回り(反時計回り)のデザインです。

有馬巴(ありまともえ)

有馬巴(ありまともえ)家紋:有馬巴(ありまともえ)
参考:発光大王堂

有馬巴(ありまともえ)とは、巴を3つ、頭を内に置き、左回り(反時計回り)のデザインです。
左三つ巴(ひだりみつどもえ)と似ていますが、よく見ると端の鋭角(尾)が円の線になって繋がっている様にみえます。



尾長巴(おながともえ)

尾長巴(おながともえ)家紋:尾長巴(おながともえ)
参考:発光大王堂

尾長巴(おながともえ)とは、巴を3つ、頭を内に置き、左回り(反時計回り)のデザインです。
左三つ巴(ひだりみつどもえ)と似ていますが、尾が細長くなっています。

鹿島神宮の神紋として有名です。

三頭右巴(さんとうみぎともえ)

三頭右巴(さんとうみぎともえ) 家紋:三頭右巴(さんとうみぎともえ)
参考:発光大王堂

三頭右巴(さんとうみぎともえ)とは、巴を3つ、頭を内に置き、左回り(反時計回り)のデザインです。
ややこしいですが、、、左三つ巴(ひだりみつどもえ)の別名です。



三つ盛り左三つ巴(みつもりひだりみつどもえ)

三つ盛り左三つ巴(みつもりひだりみつどもえ)家紋:三つ盛り左三つ巴(みつもりひだりみつどもえ)
参考:発光大王堂

三つ盛り左三つ巴(みつもりひだりみつどもえ)とは、左三つ巴(ひだりみつどもえ)を3つ三角形に配置したデザインです。

板倉巴(いたくらともえ)

板倉巴(いたくらともえ)家紋:板倉巴(いたくらともえ)
参考:発光大王堂

板倉巴(いたくらともえ)とは、左三つ巴(ひだりみつどもえ)を大きい1つを中心に周りを小さな8つで配置したデザインです。
九曜巴(くようともえ)とも呼ばれているようです。

板倉勝弼(備中松山藩藩主)、宮本武蔵が家紋として使用していたとされている事でも有名です。



二つ引きに右三つ巴(ふたつひきにみぎみつどもえ)

二つ引きに右三つ巴(ふたつひきにみぎみつどもえ)家紋:二つ引きに右三つ巴(ふたつひきにみぎみつどもえ)
参考:発光大王堂

二つ引きに右三つ巴(ふたつひきにみぎみつどもえ)とは、上に2本の横棒、その下に左三つ巴(ひだりみつどもえ)を配置したデザインです。

蛞蝓巴(なめくじともえ)

蛞蝓巴(なめくじともえ)家紋:蛞蝓巴(なめくじともえ)
参考:発光大王堂

蛞蝓巴(なめくじともえ)とは、巴の頭を変形させ「おたまじゃくし」から「なめくじ」へ変化したデザインです。

沖縄県宜野湾市の普天満宮の神紋として使用されています。



巴文 (ともえもん) が使用されたデザイン

巴 (ともえ) や 巴文 (ともえもん) が使用されたデザインを浮世絵でご紹介致します。

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※2025/10/10(金)更新※



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