【解説】紗綾形文(さやがたもん)とは?日本伝統文様にある紗綾形(さやがた)を徹底解剖!

紗綾形文タイトル trivia
紗綾形文 – さやがたもん –

紗綾形文(さやがたもん)は、梵語(ぼんご)の卍形を崩して四方に連続させたデザインが特徴の文様です。
中国から輸入された紗綾(さや)という、絹織物の地紋として多く用いられたことから紗綾形文(さやがたもん)と呼ばれるようになったようです。
昔は渡りものの裂地(きれじ)として珍重され、上流の武士の間では衣服などに用いられていたそうです。
しかし、江戸後期になると、女性用の衣服にも用いられるようになったみたいです。
また、卍を菱状に歪めた形から「菱万字(ひしまんじ)」、「雷文繋ぎ(らいもんつなぎ)」とも呼ばれています。
江戸時代以降は、綸子(りんず)の地紋にも用いられ「紗綾形綸子(さやがたりんず)」の名もあります。

そんな古くから親しまれてきた紗綾形文(さやがたもん)をご紹介致します!

 

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紗綾形(さやがた)とは?

sayagata-mon紗綾形(さやがた)とは、卍(まんじ)の文字を繋ぎ合わせた様式的な文様の一種を指す言葉です。
更に、紗綾(さや)の織り、平組織で文様が縦の四枚綾の絹織物に多く用いられる事から「紗綾形(さやがた)」と呼ばれるようになったとか。

紗綾形文(さやがたもん)について

紗綾形文(さやがたもん)は、繁栄や長寿が続くこと、不断長久(ふだんちょうきゅう)を意味する縁起の良い模様です。
紗綾形文(さやがたもん)は「卍(まんじ)」をモチーフに出来たデザインの文様です。
「卍(まんじ)」が変化して「数字の万」できたとも言われています。
そんな大きな数を表す「卍(まんじ)」がどこまでも繋がる様子から、「金運が上がる=縁起が良い」と言われています。

更に、浮世絵に描かれた女性の着用する長襦袢に紗綾形文(さやがたもん)の文様が多く見られます。

紗綾形文の別名

紗綾形文(さやがたもん)は「卍崩し/万字崩し(まんじくずし)」、「卍繋ぎ/万字繋ぎ(まんじつなぎ)」、「菱万字(ひしまんじ)」、「雷文繋ぎ(らいもんつなぎ)」とも呼ばれています。



紗綾形文(さやがたもん)が使用されたデザイン

紗綾形文(さやがたもん)が使用されたデザインを浮世絵でご紹介致します。

歌川国芳 「誠忠義士肖像 大星由良之助良雄」 (1852)歌川国芳 「誠忠義士肖像 大星由良之助良雄」 (1852)
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喜多川歌麿 「当時全盛美人揃・兵庫屋内 花妻」喜多川歌麿 「当時全盛美人揃・兵庫屋内 花妻」
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※2024/09/13(金)更新※



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