【解説】銀杏文(いちょうもん)とは?日本伝統文様にある銀杏(いちょう)を徹底解剖!

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銀杏文 – いちょうもん –

銀杏(いちょう)は、秋の代表的な植物でも有名ですよね。
日本各地で銀杏並木などの名所もたくさんあります。
さらに銀杏(いちょう)は、神社などの御神木としても植えられ、崇められています。

そんな銀杏(いちょう)を文様化した、銀杏文(いちょうもん)をご紹介致します!

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銀杏(いちょう)とは?

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銀杏(いちょう)は、約2億年前から存在する「生きた化石」と呼ばれる植物です。
太古の昔には世界中で自生していたと考えられていますが、現存するのは中国原産の1種類のみだそうです。
日本には室町時代(1336-1568)より前に入ってきたとされています。

銀杏(いちょう)は、中国原産の落葉高木(らくようこうぼく)で、生長すると30mもの高木になります。晩秋に葉っぱが金色に色づき、冬になると落葉します。
雌雄異株(しゆういしゅ)の植物で、花の形も雄株と雌株で異なり、春に新芽が芽吹く頃に咲きます。
雄花は房状に咲き、雌花は柄の先端に胚珠をむき出しにした状態になります。
雌株は銀杏(ぎんなん)をつける頃に臭いを放つため、街路樹として植えられているものは雄株が多いらしいです。

銀杏(いちょう)は漢字で「銀杏」「公孫樹」「鴨脚樹」と書き、全て「いちょう」と読みます。
「公孫樹」は、種をまいてから実が成るまで、孫の代までかかるという意味があるそうです。

杏子(あんず)の実を小さくしたような実が銀のように真っ白だから「銀杏」とあてがったようです。
日本では、銀杏(いちょう)はの名前の読みの由来は、中国名の一つ(中国名はいくつかあるようです)の「鴨脚(ヤーチャオ)」だといわれ、銀杏(いちょう)の葉の形が水かきを持つ鴨の脚に似ていることが由来の一説だそうです。
因みに、日本では「銀杏」と書いて、「いちょう」とも「ぎんなん」とも読みますよね。
これは、中国由来の読みで「銀杏の木」を「いちょうのき」と読むようになり、実のときだけ「銀杏」を「ぎんなん」と音読みで読んで、区別するようになったとされています。
さらに、属名のGinkgoも中国名「銀杏」に由来するとされます。

銀杏(いちょう)の花言葉は「長寿」「荘厳」「鎮魂」です。
銀杏(いちょう)は大きく育ち、長生きするので「長寿」という花言葉が付けられたようです。
また、神社やお寺の御神木になってる事が多いため「荘厳」や「鎮魂」という花言葉もあります。
もしお年寄りに贈るなら、喜寿などのお祝いとして銀杏(いちょう)を贈るのも素敵ですね。

ginnan-銀杏
余談で先ほど出てきた、銀杏(いちょう)に実る銀杏(ぎんなん)について。
銀杏(ぎんなん)は栄養価は「デンプン、カロテン、ビタミンC」などを含んでいるほか、「カリウム、マグネシウム、リン、鉄」といった骨を作るのに欠かせないミネラルが豊富に含まれているのが特徴です。
また古くから日本や中国では、「咳や痰」に効くという民間療法としても活躍してきました。しかし銀杏(ぎんなん)には、「ビタミンB6」の作用を妨げる「メチルビリドキシン」という中毒物質が含まれているため、特に解毒能力が弱い幼児が食べる場合は注意が必要です。
大人のあなたも食べ過ぎ注意ですよ!




銀杏文(いちょうもん)について

mitsuityou-銀杏紋家紋:三つ銀杏(みついちょう)
参考:フリー素材サイト発光大王堂

樹齢が長く、耐火性があることから生命力の象徴。葉の形が末広がりであることから、開運招福や富貴繁栄。老木になると乳房に似た気根が伸びるため、子育てや授乳祈願。また、雌雄異株であることから良縁祈願や夫婦円満。ご神木として数多く知られることから神仏加護。さらにイチョウは「異朝」の語呂合わせから、他国の賓客を迎え入れる喜びに通じるとされるなど、ありとあらゆる縁起が担がれるのが特徴です。家紋としても描かれ、中輪に一つ銀杏紋、三つ銀杏紋、剣と組み合わせた二つ剣銀杏紋などが知られています。




銀杏文(いちょうもん)が使用されたデザイン

水野年方 「三井好 都のにしき 紅葉狩」 (1905-1906)水野年方 「三井好 都のにしき 紅葉狩」 (1905-1906)
参考:パブリックドメインQ:著作権フリー画像素材集

 

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※2022/1/14(金)更新※



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