文字(もじ)を文様化することは古くからあり、吉祥や信仰、縁起などの意味から、そのままの書体、あるいは文様化して使用されています。
よく使われる文字では、「喜」「寿」「福」「鶴亀」「松竹梅」など縁起の良い文字や、ゆかりの文字、歌などを散らした文様が多いです。
紋章としての文字(もじ)は、印半纏(じんしばんてん)や暖簾(のれん)などに多いです。
同じ字句を書き連ねた「字繋ぎ」 は、旅館の浴衣などによく見られますよね。
江戸時代の歌舞伎役者二代目 瀬川菊之丞(せがわ きくのじょう)が使ったものに、菊の花と寿の字を交互に染の出した「菊寿」があります。
また陶器などには円形文様の中に「寿」などの文字をすえたかたちのものが多いです。
そんな直感で意味がわかりやすい文字文(もじもん)をご紹介致します!
文字(もじ)とは?
日本では、「ひらがな」「カタカナ」「漢字」「数字」「ローマ字」などで日本語を表現していますが、他国では、様々な「文字(もじ)」を使用して、色とりどりの独自の言葉がありますよね。
文字(もじ)とは、コミュニケーションの1つでもある「言葉」を書き表すために、社会習慣として用いられる記号の事です。
文字文(もじもん)について
文字文(もじもん)とは、文字を紋章化したものの事です。
意味が分かりやすい事から、たくさん使用されてきた文様の1つです。
文字文(もじもん)に用いられる文字は漢数字、自然を表す文字、名字を表す文字、他の紋を字に置き換えたものなどがあり、ユーモア溢れる文様の1つでもあります。
では、いくつか代表的な笹紋(ささもん)をいくつかご紹介します。
愛(あい)
家紋:愛(あい)
参考:発光大王堂
愛紋(あいもん)は、「愛」の漢字そのままのデザインで、直江兼続(なおえかねつぐ)の兜の前立てにもなっています。
大一大万大吉(だいいちだいまんだいきち)
家紋:大一大万大吉(だいいちだいまんだいきち)
参考:発光大王堂
大一大万大吉(だいいちだいまんだいきち)は、「大一大万大吉」の吉祥の漢字を6つ組み合わせてデザインされた文様です。
石田三成(いしだ みつなり)が用いたことで有名な家紋でもあります。
丸に無文字(まるにむもじ)
家紋:丸に無文字(まるにむもじ)
参考:発光大王堂
丸に無文字(まるにむもじ)とは、「無」の漢字をあしらった文様で、この「無」をアレンジした文字紋は複数のデザインがあります。
有名な戦国武将の織田信長(おだ のぶなが)、仙石秀久(せんごく ひでひさ)、上杉謙信(うえすぎ けんしん)などが使用していたと言われているようです。
丸に一文字(まるにいちもじ)
家紋:丸に一文字(まるにいちもじ)
参考:発光大王堂
丸に一文字(まるにいちもじ)は、漢数字「一」のそのままを丸で囲ったデザインです。
丸に十文字(まるにじゅうもんじ)
家紋:丸に十文字(まるにじゅうもんじ)
参考:発光大王堂
丸に十文字(まるにじゅうもんじ)は、漢数字「十」のそのままを丸で囲ったデザインです。
鹿児島県照国神社の神紋にもなっています。
文字文(もじもん)が使用されたデザイン
文字(もじ)や文字文(もじもん)が使用されたデザインを浮世絵でご紹介致します。
井川洗厓 「新浮世絵美人合 四月さくら」 (1916-1917)
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歌川国芳 「誠忠義心伝 岡島弥惣右衛門常樹」
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葛飾北斎 「東海道五十三次 絵本駅路鈴 草津」
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喜多川歌麿 「青樓仁和嘉女藝者部・獅子 たま屋 おいと」 (1783)
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水野年方 「三十六佳撰 遊君 元和頃婦人」 (1893)
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